言葉はいつも上位から普及することはない。そう,「ヽ(´ー`)ノ」が明日の言葉を変えていく。明日,私たちは,ネットワークのための日本語で会話をする。
携帯のメールはひらがなが極めて多いことが,国立国語研究所の調査でわかった。他のメディアと比較してローマ字やアラビア数字は意外と少ないが,ひらがなの頻度が極端に高い。「彡」が「☆」と並べて流れ星に使われたり,文末に「。」を重ねて余韻を残したり,(笑)(泣)と書いて感情表現することもみられる。
たとえば,鉛筆を使って紙に書いた文章と,キーボードで打った文章に違いはあるだろうか。これは,毛筆でボールペンを使って書いたものとおんなじことを書こうとしたときに違和感があるように,かならず変化はある。私たちは,頭で考えた文章を紙に書いているつもりだが,その書く道具自体が文章を作っていくこともあり,でき上がった文章には大きな変化が生じる。たとえば「,」の打ち方,たとえば漢字の使い方,たとえばよく使う慣用句。携帯は極端に使い難い入力装置であり,それ分イレギュラーな文章の出現を誘いやすい。
私はパソコンで,かな入力なのでローマ字入力って異質だよね,とも思ってしまう。1音に2つも3つもキーを押していたら言葉が着いていかないと思ってしまう(まぁ世の中そっちの方が多いので黙っているが)。きっとローマ字入力だから生まれてくる文章,と云うのもあるだろう。2ch的な「既出」(がいしゅつ,ね)や「またーり」も日常的に使っているが,これだってこれまでの日本語からすればイレギュラーなものだ。日本語は(他言語もだが)折に触れて大きく変化するものだが,ネットワークのために,もっと変化していい。「ここ」での言葉は「ここ」で創られていく。その言葉が日常の常用となる。明日の日本語は,そこにある。
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